メビウスの輪とクラインの壷についての考察
高田勝成
まず白色に着色された導線と、黒色に着色された導線をそれぞれ平行に並べて、隣り同士を接着します。これを一本の帯に見立て、その帯の両端を一捻りして互いに接着すれば、メビウスの輪が出来上がりますよね。この状態では白い導線の一方の端は黒い銅線の一方の端に繋がり、白い導線のもう一方の端も黒い導線のもう一方の端に繋がっています。
メビウスの輪の特徴として、帯の真中にハサミを入れて帯を二分すれば、一つの大きな輪になりますが、それは∞の交点は始めから一つの輪を真中で捻ったものにすぎず、それぞれの輪の部分を互いにもう一方の輪と接着した状態に過ぎないということです。
ではそのメビウスの輪をさらに二分した状態、二つの輪が互いに相手の輪の中を通って存在する状態とはどういうものでしょうか? それでは今度は、赤・黒・白・青に色分けされた四本の導線を、それぞれ平行に並べて隣りどうしを接着してみますね。また一本の帯になりますよね? その帯の両端を一捻りして互いに接着すれば、メビウスの輪が出来上がります。
それが内部でどういう状態にあるかといえば、赤の導線の一方の端は青い導線の一方の端に繋がり、赤い導線のもう一方の端も青い導線のもう一方の端に繋がります。同じように白い導線の一方の端は黒い導線の一方の端に繋がり、白い導線のもう一方の端も黒い導線のもう一方の端に繋がります。内部ではすでに二つの輪が完成しているということですね。このように視点を変えれば複雑なことでも捉えやすくなります。
メビウスの輪では、赤・黒・白・青に色分けされた四種の導線を並列に並べて接着し、一本の帯を作り、それを捻ってから端と端を繋げれば、メビウスの輪が完成しましたが、その時点で帯をばらして四つの導線に分けると、図のようになるのがご理解いただけたと思います。それではクラインの壷を、同じように四本の色分けされた導線で表現してみますね。
今回は、断面が四角形を形作るように互いに接着したものを想像してください(二本の平行に並べた導線の上に、別の二本を平行に並べて乗せるというわけですね)。それは断面をみると、あたかも黄帝を中心に、東西南北に玄武・青竜・朱雀・白虎が囲むように、真中が空洞になり、その四方に赤・黒・白・青に色分けされた導線が囲んでいるはずです。ではそれをUの字に曲げ、両端を平行にしてください。それぞれの隣り合った両端は、例えば
黒 黒
赤 青 青 赤
白 白
となっているはずです。そこでそれぞれの導線を、「黒は黒」・「白は白」・「赤は青」・「青は赤」に繋げれば、クラインの壷と同じものが出来上がるはずです。